Catherine BERNARD France Languedoc
元ジャーナリストの肝っ玉母ちゃん、
フランスの全国紙「リベラシオン」のジャーナリストとして20年間活動していたカトリーヌ・ベルナールが、自然への回帰を熱望して始めたワイン造り。2005年のファーストヴィンテージから始まって、10年以上、何人かの友人のカーヴの隅を借りてワイン造りをするヤドカリカーヴ生活を送ってきたカトリーヌ。たったひとりで畑仕事から醸造、子育てと八面六臂の生活を送ってきた彼女でしたが、2015年、長男二コラが研修を終え、ワイン造りに加わってくれることになり、ついに念願のカーヴを造りました。「この15年で一番うれしいことだったわ!」もともとは、ロワール地方の「ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌ」の産地、ナント市から少し大西洋寄りの場所で生まれ育ったカトリーヌは、ワインは好きだったものの、ブルゴーニュ以南のものは口にしたこともなかったとか。ところが、仕事でモンペリエ特派員になり、沢山の情熱あふれる自然派ワインの生産者たちに触れ合ううちに、ラングドックの自然派ワインに興味を持ち、ジャーナリスト人生を180度切り替えて、ついには生産者になってしまったというから、もうその行動力たるや超パワフル。ワイン造りをすると決めたら早速、モンペリエにある栽培・醸造学校に入学、2年間の勉強と研修をしつつ、よそ者に冷たいラングドックの田舎で畑購入の算段に走り回りました。2002年のことでした。
その間に同じジャーナリストだったご主人との離別もあって、まだ小学生だった二人の息子を抱えながらのシングルマザー生活もスタート!
一方でマキシム・マニョンやジャン・パティスト・セナなど、自然派の生産者らと交流、ナチュラルで土壌やぶどう自体を尊重する畑作業と醸造を学び、実践してきました。今やモンペリエ周辺の自然派生産者の中では女性生産者としてすっかり実力派に。彼女の目指す「ラングドックらしい強さと同時に女性ならではのしなやかでなめらかなワイン」も確立してきています。
畑作業から醸造まで、悪戦苦闘しながらひとりで頑張る彼女を見て、最初は挨拶さえしてくれなかった地元の生産者たちも、今ではすっかり仲良しに。マスコミでも、試飲でも高得点を取るワイン生産者として、また、本来のジャーナリストとして、ワインについての記事なども書き、話題になっています。
畑では…
モンペリエの北部に2002年に3haの地所を購入。2008年にも0.5hatを取得。2015年には白ブドウの畑も入手、借りている畑も含め、2018年現在、収穫できるのは4ha。
とはいえ、2019年初夏の熱波で畑が灼け、半分ほどの収穫に。それ以来、気候や土壌に関しても専門家と共に研究を始め、より良い環境作り、ぶどう栽培を目指すようになりました。
一部「ビオディナミ」を実践する「ビオロジック」農業。
除草剤や化学肥料は一切使いません。
カーヴでは・・・
良く熟したぶどうを野生酵母で発酵する「昔ながらの醸造方法」。「亜硫酸を使わない醸造」をしようとがんばる彼女は、ワイン造りを始めた当初、亜硫酸は欠かせないとテクニックに頼った醸造を指導するワインコンサルタントともめて契約を取り消してしまったほど。これまでずっと「果実のみずみずしさが残るなめらかなワイン」を追求しています。エコシステムと自身で言うパレットの壁でできた風通し抜群のカーヴができてからは、よりナチュラルに、自然の中でワイン造りをしています。
特に注意するのは発酵温度。最高23℃以下に抑えて粗く重たいワインにならないように気を配っています。
*Les Cuvee de Catherine BERNARD *価格は税別
で収穫量が大幅に減ったカトリーヌ。そんな中、友人で隣人でもあり、農作業などを助け合っているローランから譲り受けたぶどうを使い新たなキュヴェを造りました。果実味も程よく、飲み口のフレッシュなバランスの良い赤にしあがりました。
使用品種のアリカントは皮厚で染色にも使われるほど濃い色の出る品種ですが、重浸漬期間をやや短めにし